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マインドフルネスと仏教の座禅の根本的な違い

座禅とマインドフルネスの違いを知らないと効果もぜんぜん違う

 なんとなく、座禅は仏教的なあの世とか、悟りとかにも関係してくるけど、マインドフルネスは宗教的なものを一切除いた心の健康増進メソッドだ。

 こう思っている人が多いと思います。

 みこちゃんも、なんとなくそういうことにして、めんどくさいことは考えてきませんでした。

 でも、座禅とマインドフルネスの違いを知っておいたほうが、座禅をやるにしてもマインドフルネスをやるにしても、全然効果が違うらしいことが分かってので、今きちんと勉強しています。

 あと、みこちゃんは座禅やマインドフルネスに詳しいらしいと思ってくれている人から、座禅とマインドフルネスってどう違うのって聞かれることがあるのですが、答えられないと「なーんだ知らないのか」ってことになるので(笑)、まあ、いいんですけど、知っておいた方がかっこ悪くないというか(爆)

もしかして、そういう人、この記事読んでくださっている方の中にもいませんか?
(^▽^)
ええと、「マインドフルネスは宗教色取り除いたやつ」って何となく答えても、詳しいと思って聞いてくれたのに、答えがいかにもど素人っぽいじゃないですか(笑)。あと、Google本社が社員のメンタル健康増進用に開発したというのは完全にデマですし。

 いくつか本を取り上げていきたいと思いますが、オススメの本としてはこれです。

 

 山下良道さんというかたは、もともとは曹洞宗の得度しているお坊さんです。でも、マインドフルネスにもとても詳しい方で、山下良道さんの瞑想教室では、実際に禅とマインドフルネスを融合させたワークをやっていますので、理論面も、実践面も説得力抜群ですね。

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山下良道さんのお写真、優しそうですね

禅もマインドフルネスももともと仏教だったのだ!(゚0゚)

 それでは早速山下良道さんの本を読んでいきましょう。

 マインドフルネスは、現代人に受けよくアレンジされた座禅にすぎないのでしょうか。非常に面白いことに、当の禅僧たちの意見が分かれています。似たようなものだという人から、マインドフルネスにかなり否定的な人までさまざまです。

『禅Xマインドフルネスであなたの雑念はすっかり消える』 P11

 これはまず意外でしたね。

 お坊さんでしかもマインドフルネスを聞いたことがある人ならば、それはこれこれが同じでここは違っている、とかすぐに即答かと思ったら、お坊さんの見解も分かれているということです。

 でも、一致している意見もあるのです。それは、マインドフルネスとはもともと仏教だったということです。アメリカで開発された新しい身体的セラピー技術ではありませんでした。そして、うつ病などに効く代替医療でもありませんでした。

 マインドフルネスは、実は、東南アジアのテーラワーダ仏教―――スリランカ、タイ、ミャンマーなどのアジア南方に伝わる仏教、南伝仏教とも呼ばれ、初期仏教、原始仏教に近いとされる―――の中でそれぞれ発展してきました。

『禅Xマインドフルネスであなたの雑念はすっかり消える』 P12
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東南アジア系の小乗仏教が正統的マインドフルネスだった

 しょっぱなから、ルーツがわかりました。発祥の地はアメリカじゃなくて、スリランカ、タイ、ミャンマーでした。南伝仏教ということなので、日本で馴染みの深い大乗仏教じゃなくて、東南アジアで生まれた小乗仏教がマインドフルネスのルーツだということになりますね。

 ということは、マインドフルネスは瞑想だということになりますね。

 でも、じゃあ、お坊さんのやる瞑想とはどう違うのか、というのがますます気になってくるのは当たり前……。

マインドフルネスを日本語に直訳すれば「気づき」だった!

 マインドフルネスという英語の言葉は一体どこから来たのでしょうか。
(中略)「サティ」という言葉が、マインドフルネスの原語にあたります。
(中略)現代の日本語で「マインドフルネス=サティ」に当たる言葉はというと、通常「気づき」という訳語を当てます。ただ、「気づき」だと、あまりにありふれた日本語で、聞いてもあまりインパクトがありませんね。そこで、「気づき」という単語の代わりに、聞き慣れない「マインドフルネス」という英語を、そのままカタカナで使うことが主流になってきました。

『禅Xマインドフルネスであなたの雑念はすっかり消える』 P21-26

 これも、驚きです。マインドフルネスって「気づき」だったんですね。

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心がなにかに気がつくことがマインドフルネス

 山下良道さんは、「気づき」だとインパクトがない、とおっしゃっていますが、でもその意味はこう訳した方がしっくりと、すぐにわかりますね。

 よく、気づきや学びが大切だ、という言葉がありますけど、もともとはその「気づき」を得られる瞑想がマインドフルネスだということになります。

 ということは、心が落ち着くとか、前向きになる、これも大事でしょうけど、

なにかに気づくという効果がないのならば、そのマインドフルネスは単なるそこらのリラックス法と変わらない

 ということになります。

今日のまとめ

 まず、マインドフルネスと座禅は違うのかというと、実は同じだったということでした。

 そして大事なのは、いわゆる今、世間でもてはやされているマインドフルネスの中には、偽マインドフルネスもあるということですね。

 この小乗仏教のサティ、気づきということの素晴らしい効果をあまり重視しない、リラックス法、仕事がはかどる法、精神的なストレスをなくすということ、これも大事でしょうけど、そこにとどまっている、それが目的になってしまっているマインドフルネスは、本当のマインドフルネスではない、ということです。

 ですので、この記事のアイキャッチ画像の答えはこうです。アイキャッチの文字を変えてありますので、見比べてください。これが正しい理解となります。

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これですっきり!そういうことだったのか

 確かに言われてみれば、例えば重度のストレス軽減だけだったら、精神科とかメンタルクリニックに行けば薬も処方してもらえますので、エビデンスのある医療の方がよさそうです。

 その意味で、瞑想と(いま世間でもてはやされている)マインドフルネスは違う、と言えるでしょう。

 本物マインドフルネスは瞑想やっている仏教と同じ仏教でした。

 そこにどう改良が加えられたかも、このシリーズで詳しくみていきます。

 本当のマインドフルネスとは、仏教の瞑想と同じ、気づきという効果を得られるものだというのが、今回山下良道さんの『禅Xマインドフルネスであなたの雑念はすっかり消える』から学んだことでした。

 では、どうやったら正しいマインドフルネスを実践することができるのか、とても気になるところです。

 この本の中には山下良道さんがいったいどうやって、本物のマインドフルネスを指導しているかも載っていますので、それもご紹介していきます。

 次回以降も、この本を中心にそこを追求していきたいと思います。

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